節電

KMKa2011-04-09


10年くらい使っていた電動歯ブラシを捨てることにしました。
節電で使用を止めていたら、手でも注意すればしっかり磨けるのに、一日中充電している機械を使わなくてもいいように思ったのです。
シンクが少しすっきりしました。

別に節電を宣伝しているわけではありません。
同じように充電を必要とするお掃除ロボット・ルンバ(このブログでも度々登場しましたが。)は手放せません。
ただ、電気を使用するということに、これまで以上に意識的になったので、電力を使うモノたちをもう一度見直して、本当に必要かを考え、優先順位をつけるきっかけになりました。

デザインでも足し算だけでなく、引き算もとても重要です。
こうやって、家電だけでなく、自分にとって何が大切なモノかを取捨選択するのは住まいのデザインの一部だと思います。
どうしても必要だと思うモノまで捨てる必要はないと思いますが、実は不要なものと暮らしているのはいろいろな意味で無駄が多いです。
冷蔵庫だっていらないものを捨てて整理すると、冷蔵庫の効率も上がって節電になりますが、調理の効率も上がり時間も節約できるかもしれません。

下の記事で相方も言っていますが「見える化」はとても大事です。
私には東京の電力がどうやって作られていて、どこから来ているのか見えていませんでした。
こういう事故というきっかけでなく「見える化」されていれば、些細なことでももっと積み重ねることができたのではないかと本当に残念です。
でも、見えるようになった今、個人的にも職業的にも賢く節電する方法を考えていきたいです。(KM)

家の中の電力

KMKa2011-04-01

節電に努める日々が続いています。段々暖かくなってきたので、暖房に使われる電気分が減ってここ数日は計画停電も実施されておりません。最近Yahooのトップページに出ている「現在の電力使用量」を示すバーを頻繁にチェックします。これは、東電のまかない得る現在の最大電力に対して、どのくらい使用しているか、というものをパーセンテージで示しているもので、多少のタイムラグはありますが、どのくらい使用されているのか、という今までは気にもしなかったことを気にするきっかけになりました。先週の寒い日には、日中でも93〜95%程度まで上がっていましたが、ここ数日は気温がだいぶ上がり、日中は80%を少し超えるくらいに落ち着いています。このまま暖房を使わない季節になると、どのくらいまで電力使用量がさがるのか、それとも下がった分を産業界へ回すなどすると、80%前後を保つのか、総電力をどのように配分するようになるだろう、と考えています。
少し前から「HEMS」というシステムが家庭にも取り入れられるようになってきています。「HEMS」とは「Home Energy Management System(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」のことで、家の中の機器をコントロールして、家庭内のエネルギー使用の最適化を図る「制御」と、家の中でどのようにエネルギーが使用されているかを「見える」ように「表示」することです。家の中にどんどん機器類が増えていき、家庭でのエネルギー使用量の増加率は、他の産業界に比べても高くなっています。これまであらゆる場面で無意識に頼っていた電力ですが、家の中の機器がどのくらいの電力を使用するものなのか、計ってみてはいかがでしょうか。例えば、コンセントと機器の間に取り付けるだけで簡単に使用電力を計ることができる装置があります。
http://www.enegate.co.jp/products/eco/eco01.html
家全体の電力使用量を「見える化」するのは大変ですが、このようなものであれば、簡単に測定でき(料金表示もされ)、CO2の排出量も表示されるので、エコ意識が高まると思います。最初に話したYahooのトップページにある電力使用量バーも「見える化」の一つで、意識することはとても重要なことです。(MK)

わたしたちができること

KMKa2011-03-23



想像もしなかったような震災が起こりました。
地震も、津波も、原発の問題も、大きすぎてわたしたち一人一人の弱さを無力さを感じます。

停電のせいで、街が少しだけ不便になって、でもそれはそれで潔い部分もあって、いろんな無駄があぶり出されています。
何もなければ、人は便利さだけを求めてしまいますが、こういう機会に不要なものを削ぎ落とすのもよいことではないかと思います。
電気のない生活に私たちは到底戻ることはできないと思いますが、それが当たり前になって、どんどん過剰に電気に頼るようになったので、発電所も増えざる得ない状態に発展してしまったのではないでしょうか。

生活の大部分は慣れなので、節電も慣れてしまえば、あまり不便を感じなくなってくると思います。
例えば、イギリスではコンセントの横にスイッチが付いていて、コンセントを抜かなくても、そのスイッチをON/OFFするだけで待機電力を消費しないようにできるようになっています。電気機器を使わないときなど、その電気機器のスイッチではなく、コンセントのスイッチで消すことができるので、便利に節電ができるようになっています。そういう方法なども導入していったらいいのではないでしょうか。

この前の記事で書かれている太陽光発電などの導入も考えなくてはいけません。ただ現状では、停電時に太陽光発電もうまく作動しなくなるようなので、今のような非常時に使えるわけではないのですが。

このような災害時に、建築家ができることは非常に限られているのですが、復興時には良い設計によって、無駄を省いても快適に過ごせる建物が増えることを願っています。そのために、我々も知恵を絞りたいと思います。(KM)

進化途中の「太陽光発電」

先日、東京ビッグサイトで開催されていた「PVシステムEXPO」を見学してきました。太陽光発電は、現在様々な補助金等がついたりして、政策的にもバックアップされているエコ技術の一つですが、金額的な問題、施工の問題、デザインの問題など、まだまだ発展途上の分野ですが、この展示会ではいろいろ進化した製品が見学できました。太陽後発電パネルを取り付けるとき、防水層の処理は大きな問題です。見学したもののなかに、マグネットで屋根に取り付けるもの(「マグモレン」)や、薄い太陽光発電シートを防水層と一体に施工するもの(http://www.tajima-roof.jp/proofsolar/)などがあって、防水層を切らない施工方法が紹介されていました(というのも、太陽光発電のクレームとして、漏水は非常に多い)。また、太陽光発電パネルは、南向き30度程度に設置すると一番効率がいいとされており、設置面に制約を受けていましたが、薄膜の円筒型のモジュールのもの(http://www.osolar.com/html/japan/02_product/cigs.php)は、南だけでなく太陽の高度に追従でき、方位や角度にもかなり自由度が高くなる、とのことでした。
太陽光発電(太陽熱給湯も)は、システムとしての良さは十分理解していましたが、デザイン性や施工性(コストも含め)を考えると制約が大きいように思っていました。屋根は日本の建築では重要なデザイン要素の一つですが、太陽光発電パネルを取り付けると、どうしても設備機器に支配されたような印象が否めなかったですが、いろいろ進化する技術を見ると、「格好よく」デザインとして取り付けられるようになってきているのだなあ、ということを実感しました。太陽光発電(太陽熱給湯も)は今後もますます増えることと思いますが(ヨーロッパなどでは、地域熱供給の熱源として集合住宅の計画に全面的に取り入れられたりしています。)、住宅のデザインに直結するエコ技術の一つとして、今後も注目していきたいと思います。(MK)

照明計画

フィッシャー邸の寝室:このくらいの明


部屋は明るい方が好きですか?
私は昼間は陽がたくさん入る部屋が好きですが、夜の明かりはあまり明るくなく、基本的に薄暗い部屋にスポット的にあかりを付けるのが好きです。
朝もあまり電気をつけずに薄暗い中で支度をしたりするほうです。
でも、あかるさの感覚は人によって随分違います。
以前設計した住宅では、夜でも昼間のように明るくしてほしいという希望がありました。
でも、一種類の明かりで明るくするだけでは平坦な部屋になってしまうので、さまざまな種類の照明を考え、シーンによって使い分けられるようにしました。


私が薄暗い部屋が好きなのはアメリカで生活した期間が長かったせいもあるかもしれません。
アメリカでは天井につけるダウンライトのようなものをほとんど住宅につけません。
シャンデリアが付いていたりする場合もありますが、大体は床やテーブルに置いてあるスタンドランプで明かりを取ります。
ですので、特に古い家で夜も部屋の隅々まで明るいという家は少ないです。
私はそういう家の方が落ち着きます。


でも、こういう感覚には本当に個人差があると思います。
事務所をシェアしているN先生はスポット的にさまざまな種類のライトを付けるのがお好きなようで、事務所にはたくさんのスタンドランプがあります。ついつい省エネを考えて、一部を消してしまったりするのですが
「僕は酒もタバコもやらないから、好きなように照明は付けさせて。」と奥様に頼むほど、こだわりがおありらしいので、消さないように気をつけています。

(写真はフィッシャー邸の寝室です。このくらいの明るさが個人的には好きです。)(KM)

マンションの改修

KMKa2011-02-11

最近はマンションを改修する事例が多く、特に水廻りの改修は機能性アップに大きくつながります。つい最近、キッチンの水栓から水が漏れるので、水栓を交換する工事をしました。その時、キッチンユニットをはずしたのですが、外壁に面する部分に断熱材がありませんでした(写真を見ていただければわかりますが、コンクリートの外壁がむき出しになっています)。築年数がだいぶたったマンションなので、外断熱ということはまずないので、この部分は断熱が全くされていないことになります。そういえば、上の吊戸棚を開けても、冷たい空気が出てくるのを感じていました。どうもキッチンのユニットの付いている部分は断熱材が施工されていないようで、キッチンが寒い理由がはっきりしました。恐らく、これと同じような状況は多いでしょう。集合住宅の場合、隣の家との境は内壁なので、断熱材は必要ないですが、外部に面する壁はやはりきちんと断熱されるべきで、意外ときちんとされていないことが多いのかもしれません。マンションの改修をする際は、外観は共有部なので個人で変更することは難しいですが、内側から断熱材を張る、窓には内窓をつける、など、内部から性能をアップすることは十分可能です。壁をはがしてみないとなかなかわからない部分も多々ありますが、マンション改修の際には、デザインもさることながら、性能のアップもよく検討することがトータルで住まい環境を良くすることにつながります。(MK)