照明計画

フィッシャー邸の寝室:このくらいの明


部屋は明るい方が好きですか?
私は昼間は陽がたくさん入る部屋が好きですが、夜の明かりはあまり明るくなく、基本的に薄暗い部屋にスポット的にあかりを付けるのが好きです。
朝もあまり電気をつけずに薄暗い中で支度をしたりするほうです。
でも、あかるさの感覚は人によって随分違います。
以前設計した住宅では、夜でも昼間のように明るくしてほしいという希望がありました。
でも、一種類の明かりで明るくするだけでは平坦な部屋になってしまうので、さまざまな種類の照明を考え、シーンによって使い分けられるようにしました。


私が薄暗い部屋が好きなのはアメリカで生活した期間が長かったせいもあるかもしれません。
アメリカでは天井につけるダウンライトのようなものをほとんど住宅につけません。
シャンデリアが付いていたりする場合もありますが、大体は床やテーブルに置いてあるスタンドランプで明かりを取ります。
ですので、特に古い家で夜も部屋の隅々まで明るいという家は少ないです。
私はそういう家の方が落ち着きます。


でも、こういう感覚には本当に個人差があると思います。
事務所をシェアしているN先生はスポット的にさまざまな種類のライトを付けるのがお好きなようで、事務所にはたくさんのスタンドランプがあります。ついつい省エネを考えて、一部を消してしまったりするのですが
「僕は酒もタバコもやらないから、好きなように照明は付けさせて。」と奥様に頼むほど、こだわりがおありらしいので、消さないように気をつけています。

(写真はフィッシャー邸の寝室です。このくらいの明るさが個人的には好きです。)(KM)