秋祭り

KMKa2010-09-13

先日の日曜日、私の住んでいる街で秋祭りが催されました。駅から伸びる商店街にお神輿がいくつも並び、それほど広くない道路はお神輿を担ぐ人、見に来た人で一杯になり、一時通ることもできないほど賑わっていました。普段はどうってことのない商店街、毎日駅までの道のりを淡々と歩くだけの道が全く違う表情を見せ、地域の人たちがお神輿を担いで盛り上がっている光景は見ていて楽しいものでした。昔は神社の境内や参道などで行われていた祭りも、時代が移り変わり、神社の周りがどんどん開発されていくに従い、祭りも街の中に拡散しているのでしょう。祭りは、参加する人、応援する人、見る人、など様々な関わり方があり、その関わり方の違いによって対象物と様々な距離感でいろいろな人同士が一つの場を楽しんでいると思います。前に住んでいた街では、小さな駅前広場にステージが仮設で設置され、駅の改札を出た人の目の前にステージがあり、立ち止まって見ていってもいいし、そのまま通り過ぎてもいい。また、駅の上の店舗の窓からは、客も従業員も顔をだしてステージの演技を見ている、という具合に、既存の街の状況に応じてセッティングされた祭り、その場の状況に応じて街の人が自然と反応する、という状況はとても面白いと思います。決められた時間、ステージの前に座ってかしこまって舞台を見る、というのもそれはそれで贅沢な楽しみですが、そういう緊張感というのとは違い、その参加度(こういう言葉はないと思いますが)が一人一人にゆだねられている、という自由な雰囲気は好きですね。こういう、街が普段と違う使い方ができる、というのは、その街が豊かな証拠だと思います。前にテレビでみたスペインのトマト祭も街中の街路でトマトを投げ合って、街中の街路がトマトに染まる、という酔狂な祭りだそうですが、一晩明けると、そのトマトはすっかりきれいに片づけられ、何事もなかったように平常の姿に戻る、というそういった街の二面性には驚かされます。(MK)