KMKa2010-05-16

ゴールデンウィークに前から行きたかった北京に行ってきました。飛行機で4時間弱という近さにありながら観るべきものの多さに短期ではなかなか行く気にならず、やっと時間がとれたので大連も一緒に訪問してきました。
北京では、故宮万里の長城四合院住宅、オリンピック公園、フートン巡り、などなど一通り建築巡りをして、日本では感じることのできない、建物による「巨大」「長大」なスケールを実感しました。中国建築の「巨大」さや「長大」さは、予想以上に身体的に迫ってくる「建物のパワー」を感じました。うまくいえませんが、日本のお城などにもこのような圧倒的な強さ(良くも悪くも)は感じたことはありません。
終わりの見えない永遠に続くような長い壁(映画「ラストエンペラー」の中で、子供時代の溥儀が乳母が故宮を去るときに長くどこまでも続く赤い壁に沿って「アモ〜」と乳母の名前を呼ぶシーンは印象的です)、午門や大和殿といった中心軸上の建物は何段もの基壇の上に建てられ向こうが見越せない建物(故宮の中の建物は、広大な平野の中で絶妙な段差の操作により建物の位置が調整されています)、南北を軸に対象に配置され限りなく広がる屋根並み、など、広大な平野に連なる故宮の建築群。古来から建築物の大きさ(長さ)や高さは、時の権勢を形容するものであったわけですが、まさに建築が権力の代弁者であるような一体化を感じます。
とはいっても現在は住人もなくかつての権威を象徴する遺構となってしまった故宮ですが、北京市内に近年オープンした都市計画博物館に行ったとき故宮の中を貫く南北の軸が市内を抜け、2008年に開催されたオリンピックのメイン会場であるオリンピック公園の真ん中を貫いているのをみて、故宮はかつての原点ではなく、現在の都市計画にもその中心性は綿々と引き継がれていることに多少なりとも感慨を覚えました。(MK)