女性と建築

KMKa2009-10-27

勤めていた事務所の先輩であるT先生が教えていらっしゃる実践女子大の「建築デザイン論」の授業でお話をさせていただきました。実は去年も1回やっているので、今年は全く同じ話をするのも何かな〜、と思って最近興味をもっている女性と建築について話しました。具体的にはアイリーン・グレイとシュレーダー邸の施主であるトルゥース・シュレーダー夫人についてです。

つれづれなるままに調べていくと、今更ながらですが、女性の社会的地位というのはこの50年で劇的に向上したことがわかります。その背後には多くの女性の情熱的な運動や向上心があったことがわかってきました。私が建築を学んだ学校では、男女比が半々くらいだったので、女性で建築を勉強することは特別ともなんとも思わなかったのですが、現実にはまだまだこの業界に女性は珍しい存在です。(世界的にも珍しい存在である女性建築家が、日本で多く活躍していらっしゃるのは、不思議でもあり、すばらしいことです。)別に建築家の半数が女性である必要もなく、今の時代にフェミニズムを振りかざすのは格好の良いことではないと思われているのかもしれませんが、「女には向かない、できない」と思われていた時代に、自分の能力を花開かせた先人の話には勇気付けられます。私の半分の歳でしかない、今の若い人である3年生の皆さんが、これらの話をどう受け止められたのか、レポートを読ませていただくのがとても楽しみです。-写真は敬愛するアイリーン・グレイの肖像です。(KM)