とうとう「マカオ」が!

KMKa2008-07-16


地球の歩き方マカオ」が刊行されました!
今日本屋をぶらついていたら、旅行ガイドブックコーナーの一角にいろいろなところの地球の歩き方が平積みになっていました。ふとながめていたら、なんと「マカオ」という文字が目に入ってきました!最近異常なほど「マカオ」の観光パンフレットが巷にあふれているのを感じてはいましたが、とうとう「地球の歩き方」シリーズの中でようやく一冊としての地位を獲得したようです。1999年の中国への返還以降、「世界遺産」と「カジノ・リゾート」を二大観光として、必死に観光政策を進めてきたマカオ政府の作戦がようやく形になってきた現れなのでしょう。マカオポルトガルの統治を長期にわたり受けているため、街のなかには広場や教会などの西欧の影響を受けた場所がいくつもあり、これまでのパンフレットの類では紹介される内容もかなり偏っておりました。でもこの本では今までのパンフレットの類にはほとんど紹介されていなかった中国系のエリアにある地元の人のマーケットや路地なども多く紹介されております。私はマカオの面白さはポルトガル的な部分と中国的な部分を行ったり来たりしてその混在性を楽しむことだと思っていますので、この本はそこに少し近づいてくれた気がします。
これまでマカオを数年来調査してきましたが、最初は「マカオ」ってどこ?とか、香港の一部?とか、というその存在すら不明だったり、そんなとこ調査してどうすんの?という感じで、やっている本人も不安になることは多々ありました。なので今回「マカオ」編として一冊になるほどまでにその存在が認知され始めた(マカオ観光局の強力なプッシュがあるにしても。。)のは、やはりうれしいことなのです。(いつも「香港」のオマケだったマカオが。。。)
ただ、写真があまりにもきれいでその編集に感心する一方で、実際は湿度90%以上で蒸し暑く、街中には食べ物のにおいがあふれ、スクーターの音が鳴り響く、アジアの一都市であることにはかわりありません。また表面的にはきれいに変貌している一方で、家賃が高騰しローカルな食堂や喫茶店が立ち退いたあとにチェーン店が入ってきたり、若い労働力はカジノにとられ、観光客が増え中心地では歩くのもままならず(もともと旧市街は狭い斜路が多いのです。。)、香港からのフェリーもいつも満席で事前にチケットを購入しなくてはならなくなった、とかいろいろと困惑する場面にもあちこちで遭遇することも事実です。とりあえずは現行の観光政策は勢いに乗っていますが、この「ブーム」がいつまで続くのか、甚だ疑問でもあります。(「建築雑誌」7月号にマカオのカジノ政策と都市拡大について寄稿しておりますので、ご興味ある方はご覧ください。)
ま、それはさておき、調査のときは、紹介されているようなホテルやレストランにはほとんど行ったことがなかったので、今度行く時は少しだけ贅沢をしてホテルに泊まり、リゾート都市として生まれ変わろうとしているマカオを味わってみたいものです。(私もまんまと観光案内にのせられてます。。)(MK)


マカオ観光局 http://www.macautourism.jp/(つい最近、このサイトもかなりバージョンアップされました)