再会

先日、大学院のときの先生である、レム・コールハースにほぼ十年ぶりにお会いする機会に恵まれました。まだ、覚えていらっしゃるかと心配していたのですが、一応記憶に残っていたらしく、もうハーバードで教えるのはやめた、というような話をして下さいました。彼は普段、近くに寄ると緊張感が伝染するくらいピンと張り詰めたような方ですが、その日は夕食会ということで、リラックスしてチャーミングな面を見せていました。全く雲の上の人であるコールハースと初めて話をしたのは、もう12年以上も前のこと。ポートフォリオを見せたら「君には明らかに才能がある。」と励まして下さったことは一生忘れられません。数日後の今週、日中にまたお会いすることがあったのですが、その時は当然仕事モードで以前と変わらない緊張感を漂わせていらっしゃいました。相手を呑み込むような好奇心と鋭い眼差し、世界的な建築家としての地位をすっかり確立した後も、常に走り続け、人の考えないことを考えようとする不屈のエネルギーに改めて感動しました。全く不肖の弟子ですが、私も私なりに挑戦し続ける気持ちを新たに、また励まされた気持ちでいます。(KM)