御朱印集め

御朱印を集め始めてかれこれ10年近くになります。御朱印とは、元々は経文を書写し、お寺に納めた証に頂いたものでありますが、現代では、お寺に参詣し、宝印を頂くことのみを指すようになっています。私が御朱印を集め始めたのは、祖母が集めていたのを小学生のときに近くでみて育った影響もありますが、単純に書が好きだからです。寺社の僧侶や神職の方に墨書していただく寺社名や参詣日などの書体は、勢いのあるもの、均整のとれたもの、細くて柔らかなものなど実に様々ですが、どれも凛とした強さと美しさがあります。(宗教的には、御朱印は決して美しさを追求するもではありません。)以前は旅行や出張で出かけた地方の寺社で頂いていましたが、最近は休日にサイクリングをしながら、都内の寺社の御朱印を集めています。私はかなりの方向音痴なので、地図を片手に走るのですが、最近では寺社を遠くから発見する方法が見つかり、以前ほど地図を眺めなくてもよくなりました。寺社の境内は現在でも緑豊かなものが多く、その緑は街路の隙間や地形の関係で遠方からでも見つけることが出来るのです。また寺社の周辺には参道の名残があったり、微妙に道路のパターンがずれていたり、なるほどと納得できる街読みのきっかけがたくさんあります。その位置関係を理解すると、地図が頭の中で数珠つなぎのようにつながり、方向音痴の私でもそれほど地図を見なくてもよくなっていくのです。「御朱印集め」と「サイクリング(健康維持)」と「街探訪」は、私にとって三位一体となった合理的な!楽しみなのです。(MK)