ロマンスカーMSEを試乗しました

機会があり、3月15日から東京メトロと小田急を結ぶロマンスカーに試乗しました。この新しい青いロマンスカーは、建築家の岡部憲明氏が設計されました。
子供のころ、夏休みに祖父母と箱根に遊びに行くとき、いつもオレンジのロマンスカーに乗っていきました。ロマンスカーというと、常に「休暇」のイメージがあるのですが、今度のロマンスカーは地下鉄・千代田線へもつながっていて、ビジネスにも使ってもらえるような想定をしているようです。真新しい青い車体にオレンジのストライプが鮮やかな色使いは、日本ではあまり見かけない、ヨーロッパを思わせるもので、内装も非常に落ち着いた豪華なものでした。照明はLEDで、上部の棚にきれいに収まっており、通常前の席の背についているテーブルは、飛行機のビジネスクラスさながら、席の肘掛に格納されていて、しかもアルミのダイキャスト！(だと思う・・・。）今回は試乗だったので、残念ながら飲食はできませんでしたが、ワインでも傾けながら乗るのにぴったりな大人のイメージが合いそうです。
車内は立派な公共空間、しかもある程度の時間を過ごす場所なので、その場所が快適なのは素晴らしいと思います。ロマンスカーを通勤に使うのはちょっと贅沢すぎる感じですが、新幹線で通勤していらっしゃる方もいることを考えると、それもありなのかもしれません。東京の鉄道網は世界で類を見ないほど複雑で、今年も副都心線など拡張する動向は止まりそうにありませんが、そのような同じ「資源」もいろいろと使い方を変えて差別化することで競争力を保っていくのでしょう。都心の高級ホテルの一室のような電車が、郊外へ走ることで、東京の一片が出たり入ったりするようで、また新たな都会のダイナミズムを感じました。(KM)