突然ですが、盆石ってご存知ですか?

KMKa2008-02-16

黒い漆器のお盆に砂や石を使って、風景などを表現する日本の伝統芸能のひとつなのです。
今日は小学校時代からのお友達のIさんの盆石の展覧会に行ってきました。
写真ではなかなかわかりづらいのですが、お盆の上に謡曲の中の景色が広がります。
出来上がったものを見るのも面白いのですが、彼女がデモンストレーションをしてくれて、その手さばきに見ほれました。
お盆に小さなふるいのようなお道具で少量の砂を振り(この振り方も高度がテクがありそうでした。)それに白鳥の羽や専用のお道具を使って散らしたり削ったりしながら、絵を描いていきます。かなり細かいこともできそうですが、日本画のように「余白」部分が重要そうで、見る人の想像力が試される日本的な「見立て」の芸術です。きれいな絵が出来上がって楽しんだ後、羽で砂を寄せてしまえば全てが消えうせてしまうはかなさも新鮮でした。昔のお姫さまがそうやって遊んでいたのでは、と思わせる風雅なものです。作るのも、できた後も長い時間を前提にしている建築の設計とは対極の世界なのかもしれませんが、カタチが残らない視覚芸術が時を越えて受け継がれていくという世界にも力強さを感じました。(KM)