北欧デザイン

KMKa2010-12-11


北欧の家具やプロダクトのデザインが好きです。イタリアのデザインも粋というか素敵だと思うものはあるのですが、北欧のデザインは生活の中に取り入れてもしっくりくる感じです。北欧デザインは日本のデザインと波長が合うのかもしれません。

イッタラというフィンランドの食器メーカーが、アールト・デザインのグラスを作っていて、価格もリーズナブルなので集めています。グラスの周りにリブが入っているのが特徴で、このリブのお陰で、持ち上げやすくなっているだけでなく、グラスの強度も出ているのではないかと思います。もちろん、見かけもシンプルでエレガントありながら、実質的なデザインです。
アルヴァ・アールトといえば、フィンランドでは作曲家のシベリウスと並んで国民的芸術家として名高い建築家で、お札にもなっていますが(そして、最近「ヘルシンキ工科大学」という国立大学も「アールト大学」という名前になったそうなのですが。)このグラスのデザインをしたのはアールトの奥さんのアイノ・アールトです。夫があまりに有名なので、ついその影に隠れがちなのですが、アイノ・アールトも優秀な建築家であり、彼女ひとりで設計をしたプロジェクトもありますし、夫よりも実務に秀でていて、前半のアールト事務所の実作は彼女の貢献度がとても高いそうです。

写真を見ると、若い頃のアルヴァはとてもハンサムですが、アイノは笑顔は優しく素敵ですが、がっちりしていて実質的な肝っ玉かあさんのような感じに見えます(失礼ながら)。彼女のデザインしたグラスも華奢なところは全くなく、毎日使っていても飽きないシンプルさと耐久性を備えています。やはりデザインには人柄が反映されるのだなぁ、と思います。

残念ながらアイノは40代で亡くなってしまいます。彼女がもっと長生きをしていたら、どんなデザインをしていたのか、グラスを見ながら想像しています。(KM)